《査読付き論文》
Hanyu, Nao., Watanabe, Kei., & Kitazawa, Shigeru. (2023) Ready to detect a reversal of time's arrow: a psychophysical study using short video clips in daily scenes. Royal Society Open Science. 10: 230036.
「覆水盆に返らず」のことわざが表すように、私たちは、時間は過去から未来へ一方向にしか流れないと信じています。この信念は、私たちが時間の向きの逆転を検出できる能力を持つことを示します。
本論文では、自然動画を360本用いることで、1) 時間の向きの逆転を検出できる場面は、生物が前進する・物体が落下、拡散するなどの特定の場面に限られること、2) それ以外の場面では、時間は正しい向きで流れていると判断しがちであること、を発見し、報告しました。
このような時間の向きの逆転の検出は、次の展開を予測する脳内機構である、順モデルを援用することで達成されている可能性があります。
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